えっちな古文

 

女人、濫しく嫁ぎて、子を乳に飢ゑしむるがゆゑに、現報を得る縁

 

濫しは現代でもありまして、

濫(猥)りがわしい、淫らであることです

 

 

つまり

 

 

 

女は淫乱でおっぱいをあげず、子を餓えさせたのでこうなりました

 

うん、エロい、夏です

 

 

 

 

 

横江の臣成刀自女は、越前の国加賀の郡の人なりき。

女は越前の人だった

天骨淫しつにして、濫しく嫁ぐことを宗とす。

うまれつき淫乱でむやみにセックスすることが癖だった


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いまだ丁りなる齢をつくさずして、死にて淹しく年を歴たり。

 まだ21歳を迎えないで死んで長い時が経った

 紀伊の国名草の郡能応の里の人、寂林法師、国の家を離れ、他の国を経て、法を修し道を求めて、加賀の郡畝田の村に至る

紀伊の人、寂林法師は家を出て、他の国を巡り、法を極めるべく加賀(金沢)に着いた


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年を経て止まり住めり。

法師は何年もそこに住みついた

奈良の宮に字の大八嶋国御めたまひし白壁の天皇のみ世の宝亀元年の庚戌の冬の十二月二十三日の夜に、夢にみらく、大和の国イルガの聖徳の王の宮の道の路より、東を指して行く。

法師の十二月二十三日の夜の夢のことである、聖徳太子の宮の前の道から東へ行く


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その路鏡のごとくにして、広さ一町ばかりなり。

その道は鏡のようでいて、広さは一町(110m)ぐらいである

直きこと墨繩のごとし。

真っ直ぐな道であるのは墨繩のようだ


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ほとりに木草立てり。

ほとりに木草が立っている

林、のぞきて看れば、草の中にいと快しく肥えたる女あり。

法師が木草の中を覗き見すると、そのなかにむっちりな女がいる


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裸衣にして踞りをり。

その女は薄着でうずくまっている

二つの乳より膿流る。

おっぱいから膿がでている


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膝まづきて手をもて膝を押し、痛める乳に臨みていはく、「痛き乳かな」 といひて、によひ苦しび病む。

女は膝を地につけて手で膝を地に更におしつけて、おっぱいを見て、「痛き乳かな」という、うめき苦しんでいる

問ふ、「いかにしてか、この罪を脱れむ」といふ。

法師は女に、「どうすればおっぱい病が治されるだろう」と質問した


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答ふらく、「成人知らば、わが罪を免さむ」といふ。

女は「特に飢えに苦しんだ成人がこのことを知れば、私の罪は許されるだろう」と答えた

林、夢より驚き醒めて、ひとり心に怪しび思ひ、その里を巡りとふ。

法師は夢から醒めた。ひとり心の中で不思議に思い、夢にでた道を巡り、夢のことを里周の人に質問した


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ここに、有る人答へていはく、「まさにわれこれなり」といふ。

ここで、里にいるひとが「それは私、成人のことである」と答えた

林、夢の状を述ぶ。

法師は夢のことを成人に話した。


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成人、聞きていはく、「われ稚き時に、母を離れて知らず。ただしわが姉ありて、能く事の状を知れり」といふ。

成人はそのことを聞いて、「わたし、幼いときに母から離れよく母のことについて知らない。だけど私の姉はよく母についてを知っています」という

姉を問ふ時に、答ふらく、「まことに語るがごとし。われらが母公、面姿うるはしくて、男に愛欲せられ、濫しく嫁ぎて乳を惜しみ、子に乳を賜はらざりき」といふ。

そこで法師が姉に質問すると「その通り、母は顔がキレイでいつもオトコにえっちなことさせられて、セックスしまくって授乳を惜しんでおっぱいを子供にあげなかったのよ」と答えた


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ここに、諸の子、悲しびていはく、「われ怨に思はず。なにぞ慈母の君、この苦の罪を受けたまふ」といふ。

ここでその子供たちみんな、悲しんで、「私たちは母を恨んではいません、どうしてこんなにも素晴らしい母がおっぱい病にかかっているのでしょう」という

仏を造り経を写して、母の罪を贖ひ、法事すでにをはりぬ。

法師は仏像をつくり、お経を写して、母の罪をつぐなうと、できることはすべておわった


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後に夢に悟していひしく、「今はわが罪免れぬ」といひき。

後でその女(母)が法師の夢で「今はおっぱい病が治りました」と言った

誠に知る、母の二つの甘き乳、まことに恩は深しといへども、惜しみて哺育まずは、返りてつみと成らむといふことを。

これでよくわかる、あまいおっぱいはとても良いものだが、それを惜しんで子供を放棄するのは自分に返って罪となるようなことと言うことを。


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豈飲まめざらむや。

母はどうしておっぱいを飲ませないだろうか、いや飲ませるだろう。

 
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         出典:日本霊異記(新潮)